導入店様の声

Customer's voice

日世商品導入店のご紹介Introduction Case

にしき堂 祇園新道中筋店/宮島店」

広島新銘菓「生もみじ」の餡を使った
こしあんソフト&抹茶あんソフトが大好評。

Interview

にしき堂ならではのソフトが生まれた経緯や反響を伺いました。

株式会社にしき堂
本社工場 製造部 製造3課
製造係 係長
伊藤 佑一郎さん
株式会社にしき堂
販売営業部 販売営業1課
販売係 係長
岩崎 恵美さん
株式会社にしき堂
総務部 企画係 主任
井上 宮仁さん

「生もみじ」のにしき堂

広島を代表するおみやげとして全国的にも知名度の高いもみじ饅頭ですが、近年では菓子メーカー各社がアイデアを凝らし、独自のもみじ饅頭や派生商品を展開しています。その中にあって、新しい広島ブランドとして人気を集めているのがにしき堂の「生もみじ」です。
1951年創業のにしき堂は、いち早くもみじ饅頭の焼成にガス熱を導入したり、良質な北海道産小豆を仕入れて自社の専用工場で製餡するなど、業界をリードする取り組みを次々に行ってきた県内屈指の菓子メーカーです。また、自社開発の技術を囲い込まず、広く開放することによる競争こそが業界全体を大きくし、自社の発展につながるという『競争共栄』の精神を今に引き継ぎながら、現状に満足することなく新製品の開発や改良を続けています。

広島新銘菓「生もみじ」は、生地に広島県産の米粉を使用して、もちもちっとした食感を実現している。

人の心をあたたかくするようなお菓子づくりをめざすにしき堂が大切にしているのは、誠心誠意の『誠』の気持ちと、『百試千改』の姿勢です。百試千改とは、百回試して千回改めようというお菓子づくりの極意。もちもちでしっとりした生菓子風の食感が新しい生もみじも、にしき堂の技術陣が百試千改を約10年続けてようやく完成させたといいますから、その美味しさに納得です。

幅広い層のお客様に利用される祇園新道中筋店

今回、訪問したにしき堂祇園新道中筋店は、アストラムライン(新交通システム)の駅やバスターミナルに隣接した商店街にありながら、国道沿いの路面店で、山陽自動車道の広島インターチェンジも近いという好立地です。近隣住民の常連さんからビジネス客や観光客まで客層は実に幅広く、日常のお菓子からおみやげ・贈答用、法要や季節の行事用まで多様なニーズに応えています。
店頭には、もみじ饅頭や生もみじをはじめ、あん餅を抹茶生地で包んだ「おとなのもみじ」、和菓子の餡と洋菓子のバームクーヘンを組み合わせた「新・平家物語」などの看板商品がずらりと並び、一方では老舗の菓子舗らしく季節の和菓子も取り揃えられています。

また、広島カープ、サンフレッチェ広島、マツダ、ドラえもん、リラックマなどとコラボした商品が多いのもにしき堂の特徴で、可愛いキャラクターが目を引きます。一隅には、セルフの給茶機とベンチの置かれた休憩スペースも設けられ、ここが地域のちょっとした交流の場として利用されていることが伺えます。

にしき堂の「もみじ饅頭」と「生もみじ」は、
「ザ・広島ブランド」として広島市から認定されている。
和菓子の餡と洋菓子のバームクーヘンを組み合わせた
「新・平家物語」も定番商品。
抹茶生地とあん餅を組み合わせ、
甘さも大きさも品良く大人の味に仕上げた「おとなのもみじ」も人気。
企業やキャラクターとのコラボ商品も多彩。

にしき堂らしさを大切にソフトクリームを開発

そんな祇園新道中筋店でソフトクリームが販売されるようになったのが、2022年2月のこと。にしき堂がソフトクリームを扱うのはこれが初めてです。「きっかけは店舗に設置されていたもみじ饅頭の実演機が撤去され、それに代わるお店の顔が何かほしいねという話し合いの中で出てきたアイデアでした」と企画係の井上さん。ソフトクリームはどうだろうという声にみんなが賛同し、さっそく製造係の伊藤さんをリーダーとした開発チームが発足しました。にしき堂には開発専門の組織はなく、製造工程を管理する技術陣が商品の開発や改良まで担っています。もちろん、新機軸のお菓子をいくつも世に出してきたにしき堂が提供するのですから、一般的なソフトクリームでいいはずがありません。伊藤さんらは「にしき堂らしさを大切に、にしき堂にしかできないソフトクリームをめざして」開発に着手。パートナーとして日世が指名されました。

祇園新道中筋店には焼きたてのもみじ饅頭が食べられる実演機が導入されていたが、それが撤去され、新しいお店の顔としてソフトクリームが選ばれた。

生もみじの餡を使おう!

にしき堂らしいソフトクリームとは?その答えはすぐに出たと伊藤さんは言います。「弊社は自社で製餡工場を持っており、素材や水にこだわって餡をつくっていますから、ソフトクリームでも餡の美味しさをぜひ伝えたい。だったら、にしき堂最大の商品に育った生もみじの餡を使うことで、にしき堂らしさをしっかり訴求できるのではないかと考えました」。生もみじの餡を使うアイデアは日世側でも持っていたため、お互いの考えが一致。生もみじにはこしあん、粒あん、抹茶あんの3種があるのですが、粒あんはフリーザーに詰まる懸念があることから、こしあんと抹茶あんを選択し、日世のテストキッチンを使っての試作が始まりました。

すると、試食した誰もが驚く発見がありました。生もみじのこしあんを使ったソフトクリームが、経験豊富な日世の担当者も味わったことのない美味しさだったのです。日世には、ミルク系のミックスが8種類あるのですが、その中からこしあんと合うミックスをチョイスし、バランスのよい配合比でソフトクリームを試作。1回目から当たりが出たと言います。伊藤さんも「日世さんが持っているノウハウや経験値はさすがだと思いましたね。この方向でいけるという確信を持つことができました」。社内でも「生もみじの餡を使ったソフトクリームが美味しいらしいという噂が広がり、注目されていました」と井上さん。

上品な味わいが楽しめる生もみじの餡は、北海道産の小豆を使い、広島県海田町の良質な地下水で炊き上げてつくられる。

どこにもない「こしあんソフト」と「抹茶あんソフト」誕生

こしあんを使ったソフトクリームはほんのり小豆色をしているのですが、一見白いのでミルク味やバニラ味を連想させます。しかし、ひとくち食べると予想が裏切られ、しっかりあんこの味が口に広がります。しかも、ソフトクリーム本来のなめらかさがこしあんの優しい口当たりとも絶妙にマッチしています。もちろん、完成度を高める作業は要しましたが、比較的早くこしあんのソフトクリームは出来上がりました。 一方、抹茶あんのソフトクリームは殺菌過程で色が変化してしまうなど課題がありましたが、粘り強く試作を繰り返すことで従来の抹茶ソフトとは違う、抹茶と餡が合わさった和菓子らしい深い味わいに到達することができました。
こうしたソフトクリームづくりはすべてコロナ禍で行ったこと。開発チームはメンバーを最小限にしたり、テストキッチンで試作したソフトクリームをクールボックスで持ち帰って社員に試食してもらうなど、制約がある中で開発を進めなければなりませんでしたが、新しい商品を生み出すワクワク感に後押しされ、にしき堂らしい、どこにもない「こしあんソフト」と「抹茶あんソフト」が完成しました。

生もみじで使用している北海道産小豆のこしあんを
ミルクソフトにブレンドした「こしあんソフト」。
生もみじで使用している京都府産宇治抹茶の抹茶あんをミルクソフトに
ブレンドした「抹茶あんソフト」。

あんこ感を増したスペシャルカップも考案

伊藤さんはここで満足せず、メニューを充実させようと考えます。それが「スペシャルカップ」です。カップに盛り付けたソフトクリームに、広島県産の粒の大きい小豆を使ったにしき堂特製粒あんと、もみじの形をしたひとくちカステラ「もみじやき」をトッピングしました。「もみじやきは見た目も可愛いですし、カステラの食感はソフトクリームと意外に相性がいいんです。特製粒あんであんこ感も増すので、通常のカップより70円アップにはなるのですが、それだけの価値はあると思います」。井上さんも「にしき堂らしさをビジュアルでも表現できていますし、もみじやきを初めて食べたお客様が気に入って袋入りのもみじやきを買われるなど、相乗効果として販促にもつながっていますね」と評価しています。

特製粒あんともみじやきをトッピングしたスペシャルカップも人気。

お客様との会話が増え、新規顧客も開拓

ソフトクリームの販売を開始したのは2022年2月。寒い時期をあえて選んだのは菓子の販売と両立できるようにオペレーションを確立し、販売員さんたちに慣れてもらうためだったそうです。販売係の岩崎さんらは、3カ月前から準備を進めました。「ソフトクリームを販売すると聞いたときには驚きました。しかも、あんこを使ったソフトクリームってどうなんだろう。自分たちにできるのかなと少し不安でした。でも試食してみると本当にあんこの味がする美味しいソフトクリームで、お客様にぜひ食べてほしいと思いました」。
そこからフリーザーの操作方法やメンテナンスの仕方を学び、メニュー提供の練習を重ねます。「機械を扱うことに戸惑いはありましたが、日世さんのサポートや開発チームの指導もあり、スムーズに覚えることができました。冬から販売を始めたおかげでお盆のピーク時にも対応できたと思います。ただし、ソフトクリームは“生きもの”。日によって状態が微妙に変わるので今もベストを追求しています」。

衛生管理を徹底しながら、常にベストな状態のソフトクリームを提供できるように気を配っている。
「生もみじの餡を使ったソフトクリームがあるの?」「美味しいですよ、ぜひ召し上がってください」とお客様との会話が広がる。

新規オープンの宮島店限定「白あんソフト」開発

ソフトクリームはにしき堂の新事業分野として存在感を放ち始めます。まず、ソフトクリームの試作用にと本社にフリーザーのシングル機を導入。アイデアをすぐに試せるようにすると共に、新しいソフトクリームができると地元サンフレッチェ広島の試合が行われるスタジアムにフリーザーを運び込み、その日にしか食べられない1日限定のソフトクリームとして販売。お客様のダイレクトな感想を聞きながらソフト開発のノウハウを蓄積していきました。井上さんは「八朔ソフトやハニーキャラメルソフトなど、どれも完成度の高いソフトクリームだったので、限定にしておくのがもったいほどでした」と振り返ります。

2023年3月に新規オープンしたにしき堂宮島店。

そして、祇園新道中筋店に続いてソフトクリームを販売する店舗が決まります。2023年3月、厳島神社のある宮島にオープンする宮島店です。
開発チームは宮島店限定のソフトクリーム開発に着手。風光明媚な宮島らしい四季折々の情景を表現できるソフトクリームを目指しました。そこで出てきたアイデアが白あんの採用です。その狙いを伊藤さんはこう説明します。「四季を、果肉やソースやオイルをトッピングすることで表現するとしたら、そのベースには白くてしつこくなくて、でもちゃんと美味しいソフトクリームが必要です。白あんをミルクソフトにブレンドするとそういう狙い通りのソフトクリームができたのです」。

宮島店のために開発した「白あんソフト」。

春の「桜スペシャル」に続き、夏は「八朔スペシャル」

宮島店には、まずにしき堂らしさを象徴する「こしあんソフト」があり、次に宮島店限定の「白あんソフト」、こしあんと白あんの両方楽しめる「ミックスソフト」があり、こしあんソフトとミックスソフトには特製粒あんともみじやきをトッピングしたスペシャルカップもラインナップされています。そして、白あんソフトのスペシャルバージョンとして季節限定カップを販売。この春は「桜スペシャル」を、夏は「八朔スペシャル」を提供しています。
桜スペシャルは2種類の桜ソースにホワイトチョコとピスタチオをトッピングして春らしさと可愛らしさを表現。八朔スペシャルは、広島県産の八朔を使用したソースや、ハッサクオイル、寒天、八朔果肉を贅沢にトッピングすることで、八朔ならではの爽やかな酸味やほのかな苦みが心地よい、夏にぴったりのソフトクリームに仕上がっています。
宮島は食べ歩きを楽しみたい観光客も多く、あっという間に人気のスイーツとなりました

春季限定の「白あんソフト 桜スペシャル」。
夏季限定の「白あんソフト 八朔スペシャル」。

ミックス実現のため「抹茶あんソフト」をリニューアル

宮島店でソフトクリームを販売した結果、ひとつわかったことがありました。それは、ミックスソフトの人気です。2つの味が楽しめるのですから、当然といえば当然ですが、実は祇園新道中筋店には、こしあんと抹茶あんのミックスソフトがありませんでした。もちろん開発する中で試作・試食も行ったのですが、伊藤さんによると「抹茶あんソフトの味がこしあんソフトの味に負けてしまうためにミックスとしての魅力が出せなかった」のだとか。しかし、宮島店でのミックス人気を見て、抹茶あんソフトのリニューアルを実行。抹茶あんに使用している抹茶を増量して、さらに抹茶の風味を感じられるようにすることで、ミックスにしたときにお互いの味が引き立つようになりました。一度完成した商品も、もっとよくできないかを常に考える百試千改の精神が発揮され、お客様に新しいよろこびを提供できるようになりました。

抹茶あんソフトのリニューアルで実現できた
「こしあん×抹茶あんミックスソフト」。

ソフトクリーム事業は今後も発展させていく考えで、「にしき堂の新しい顔として販売店舗を増やしていく方針」(井上さん)があるそうです。その際、生もみじの餡を使ったこしあんソフトは共通にして、もうひとつは「店舗ごとに地域の特性を活かした限定ソフトを開発していきたい」と伊藤さん。持ち帰って楽しむおみやげではなく、広島の現地でしか食べられない新名物として、みなさん、ソフトクリームに大きな可能性を感じておられるようでした。

COMPANY DATA

株式会社にしき堂
https://www.nisikido.co.jp

[祇園新道中筋店]
〒731-0122
広島県広島市安佐南区中筋1丁目9-6
TEL 082-870-2261

[宮島店]
〒739-0588
広島県廿日市市宮島町1165-2
TEL 0829-30-6777

MAP

私がお店づくりをお手伝いしました

日世株式会社 営業部 西井 晋
日世株式会社 営業部

西井 晋

にしき堂様の看板商品になっている「生もみじ」は他にはないもちもちの食感が受け、大ヒット商品となっています。私は2年前に広島エリアの担当になったのですが、赴任直後からこの生もみじに注目し、何か提案したいと考えていました。ですから、にしき堂様から「にしき堂らしいソフトをつくれないか」というご要望をいただいたときはうれしく思うと同時に、にしき堂様のチャレンジに貢献できると考えました。
一緒にソフトを開発して強く感じたのは、社員のみなさんに浸透している『百試千改』の姿勢です。もっと美味しくできないかを常に考えておられ、そのためには何ができるかを追求し、好奇心を持って試作を繰り返す。だからこそ、これまでにない味わいのこしあんソフトが生まれ、抹茶あんソフトや白あんソフトが形になったのだと思います。販売員の方もベストな状態でソフトクリームを提供できるようにと気を配っておられます。
にしき堂様はお菓子づくりで培ってきた多くのノウハウと財産をお持ちですから、季節や地域にちなんだ新しいソフトクリームを生み出す可能性に満ちており、これからの発展が楽しみです。日世としても、にしき堂ブランドにふさわしいソフト開発のお手伝いができるように伴走していきたいと考えています。

◎掲載内容は2023年8月取材時のものですので、現在の内容とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。