導入店様の声

Customer's voice

NISSEI商品導入店のご紹介Introduction Case

大和屋

本格コーヒーの味わいや香りが楽しめる
「珈琲ソフトクリーム」が定番商品に!

Interview

コーヒー豆専門店ならではのソフトクリームを
開発した狙いやその後の展開を伺いました。株式会社 大和屋 代表取締役 ブラジルサントス商工会認定コーヒー鑑定士 平湯 聡 さん(ひらゆ さとし)/高崎店 店長 相島 秀昭 さん(あいしま ひであき)/大和屋テラス 担当スタッフ 野村 祐太 さん(のむら ゆうた)YAMATOYA COFFEE 32 チーフバリスタ 田中 一頼 さん(たなか かずより)

日本人に合う「珈琲」をつくり「和の珈琲文化」を提案

群馬県高崎市で抜群の知名度を誇るコーヒー豆専門店があります。2020年に創業40年を迎えた大和屋です。まだ自宅でコーヒーを飲む習慣がなく、コーヒー文化そのものが根付いていなかった創業当時、コーヒーをもっと身近なものとしてたくさんの人に楽しんでもらいたい。そのために、日本人の味覚に合った、漢字で書く「珈琲」の方がふさわしい、日本ならではの「和の珈琲」をつくりたいとの思いで創業。日本の風土に合った「和の珈琲文化」が広く浸透するよう、地道でひたむきな取り組みを続けてきました。現在は群馬県内で直営3店舗を営業。のれん分けしたグループ店は北海道から九州まで全国に40店舗以上が展開されています。

旗艦店である高崎本店は古民家風のレトロな外観で
高崎市民から親しまれている。
2020年に創業40年を迎えた株式会社大和屋。
日本のコーヒー文化を牽引してきた。

コーヒーも炭火で焼いた方が美味しく感じるから

「和の珈琲」を大和屋はどのように具現化しているのでしょうか。20年に創業者(現会長)から経営のバトンを渡された平湯社長は言います。「ひとつの象徴が『木炭焙煎珈琲』です。大和屋では炭を使ってコーヒーを焼いています。いわゆる炭焼きコーヒーですね。一般的にはガスを使った焙煎が主流ですが、炭の方が芯までふっくらと焼き上がり、コーヒーを淹れると豊かな味わいが広がります」。これは創業者が大和屋を始める際、「肉も魚も炭火で焼いた方が美味しく感じる。日本人には炭焼きの嗜好性がある。コーヒーも炭火で焼いた方が日本人の味覚に合うのではないか」とひらめいたのがきっかけ。以来、木炭焙煎の技術を磨き、大和屋の伝統として受け継いできました。「もう他のコーヒーは飲めない」とおっしゃる常連さんが多いのも頷けます。

国産の木炭を使ってじっくり焙煎した「木炭焙煎珈琲」が
大和屋の看板商品。
中でも一番人気の「特上ブレンド」は
マンデリンをベースにしたコクのあるどっしりとした味わい。

「和の珈琲」を「和のうつわ」で楽しんでいただきたい

そして、「和の珈琲」を販売するだけでなく、「和の珈琲文化」まで創造しているところに大和屋の特色があります。昔ながらの古民家調のレトロな建物を模した高崎本店には、日本各地の窯元を訪ね歩いて買い付けた陶磁器1万点以上が陳列されていて、アンティークショップのような雰囲気が漂います。やきものを扱うのも創業当時からで、高崎本店店長の相島さんは「和の珈琲を和のうつわで楽しんでいただきたい」と言います。「ブラジル、コロンビア、モカ・・・世界から集められたコーヒー豆は、国や銘柄によって味わいが違います。同様に日本のやきものも、気候風土によってかたちや趣、デザインが異なります。好みに合ったコーヒーとお気に入りのカップを組み合わせれば、ご自宅で家族との豊かな時間が生まれます。大和屋は、そんなコーヒーのあるライフスタイルをもっと広げていきたいと考えています」。

高崎本店では「和の珈琲を、和のうつわで楽しんでほしい」との
思いから、コーヒーに合う陶磁器が販売されている。
北海道から沖縄まで各地にある窯元から直接買い付けた陶磁器や
陶芸作家の作品は1万点以上。全て大和屋セレクトのうつわたち。

コーヒー専門店ならではのソフトクリームで魅力をアップ

そんな大和屋がソフトクリームの販売も始めたのが2017年のこと。コーヒーのお供になるスイーツとして珈琲ゼリーやバウムクーヘン、カステラ、チョコレートなどのオリジナル商品はすでに扱っていて人気でしたが、お子様連れの若いファミリー層や、普段コーヒーに馴染みのない若者層にもっと大和屋を知ってもらうきっかけになればとソフトクリームに目をつけました。そして当然の如く、やるからにはコーヒー専門店にふさわしいコーヒー味のソフトクリームにしようという気運が高まり開発が始まったのでした。また、店内でソフトクリームを販売することが難しいため、高崎本店の玄関前スペースにログハウス風の小さなお店を設置することも決定。『大和屋テラス』と名付けられました。

高崎本店前の「大和屋テラス」(写真左)は
ソフトクリームを販売するために新たに設置された。

コーヒー感とミルク感のバランスにこだわって開発

開発に当たり、大和屋は日世をパートナーに指名。ソフトクリームの原料やフリーザーなどの機材が揃ったテストキッチンで試行錯誤が重ねられました。開発するのはコーヒー味とミルク味の2種類。看板商品となるコーヒー味のソフトクリームで平湯社長やスタッフの方がもっとも気を使ったのは「どこまでコーヒーの味わいを強くするか?」でした。平湯社長は「コーヒーの香りや苦み、コクは感じてほしいけれど、お子様も召しあがるソフトクリームですからコーヒーの存在が強すぎてもいけません。コーヒー感とミルク感のバランスが大事だと思いました」と振り返る。大和屋のコーヒー豆から抽出したオリジナルのコーヒーエキスに合うソフトクリームミックスはどれか?ベストな配合割合はどれくらいか?を追究したと言います。
最後に商品力を高めるアイデアも飛び出しました。冷たいソフトクリームはコーヒーの香りが立ってこないという課題を解決するため、コーヒー豆をミクロ状に挽いたパウダーを仕上げにふりかけようというアイデアです。これが大正解で、ついに大和屋オリジナルの珈琲ソフトクリームが完成したのです。また、ミルク味にもコーヒー味と同じくココア風味のワッフルコーンを使うことで、他とはひと味違うミルクソフトクリームに。コーヒー味とミルク味の両方が楽しめるミックスのソフトクリームには、コーヒー屋ならではの「カフェオレ」という名前をつけました。

コーヒー感とミルク感のバランスにこだわった「珈琲ソフトクリーム」。
仕上げにふりかけたコーヒーパウダーがコーヒーの香りを引き立てる。
コーヒー味とミルク味をダブルで楽しめるソフトクリームには
「カフェオレ」とネーミング。

ソフトクリームのお店として大和屋テラスが定着

大和屋テラスがオープンしたのが7月ということもあり、大和屋オリジナルのソフトクリームは『コーヒー屋さんのソフトクリーム』として評判を呼び、連日行列ができるまでの人気に。その後コーヒーのメニューも増え、今では美味しいソフトクリームと本格的なコーヒーがテイクアウトできるお店としてすっかり定着しています。大和屋テラスを担当する野村さんは「お一人様の女性、ご家族連れなど20〜30代のお客様が増えています」と客層の広がりを実感。「このテラスをきっかけにして大和屋ってこういうお店なんだと知っていただき、高崎店への来店につなげたい」と言います。話題性を高めるためにソフトクリームを使った季節限定スイーツも投入。最新作の冬限定「コーヒーアフォガード」は、コーヒーソフトにエスプレッソコーヒーをかけてコーヒーパウダーをふりかけたまさに【コーヒーづくしの一品】で、若いファン層をしっかり獲得しています。

大和屋テラスでは本格コーヒーを気軽にテイクアウトできる。
夏の限定スイーツ「ゼリーナッツソフト」。珈琲ゼリーと
カフェナッツをクラッシュしてソフトクリームをトッピング。
ゼリーのプルンとした食感とサクサクのナッツの香ばしさが面白い。
冬の限定スイーツ「コーヒーアフォガード」。
苦みの効いたエスプレッソとコーヒーソフトクリームは
ベストなマッチング。

創立40周年の年、県庁舎最上階でカフェ業態にチャレンジ

40周年の記念の年、大和屋では期せずして新しいチャレンジが始まりました。群馬県庁舎32階に新設されるカフェの公募型プロポーザルに応募、大和屋の事業計画が見事採用されたのです。店名は「YAMATOYA COFFEE 32」。これまで物販店舗がメインでカフェ業態は新しいチャレンジでしたが、本格的なコーヒーの味にこだわった大和屋らしい店づくりを展開。カウンターをステージと捉え、バリスタがオーダーされたコーヒーを一杯一杯淹れていく一連の所作をパフォーマンスとして“魅せる”ことで、コーヒーの付加価値を高めることをコンセプトにしています。

2020年10月28日の群馬県民の日、県庁舎32階の展望フロアに
オープンした「YAMATOYA COFFEE 32」。

最新鋭のエスプレッソマシンを使い、カフェでしか飲めないカフェラテやドラフトコーヒーを楽しんでもらう一方、丁寧にハンドドリップで淹れたコーヒーは、同じコーヒー豆と器具を使えば自宅でも簡単に再現できるように体系化。“おうちカフェ”文化も広めていく啓蒙活動です。チーフバリスタの田中さんは「カッコよくスマートな振る舞いで美味しいコーヒーをご提供し、コーヒーの魅力やコーヒーのある豊かな日常に気付いてもらえるようなお店にしたい」と意気込んでいます。

バリスタがコーヒーを淹れる一連の所作をパフォーマンスとして“魅せる”店づくりがされている。

ソフトクリームをアレンジした
パフェ系メニューも人気

「YAMATOYA COFFEE 32」では、群馬県の魅力をアピールするために県産の食材や果物を使ったフードメニュー開発にも力を入れていますが、コーヒーと並んでお店の定番人気商品となっているのが大和屋オリジナルのソフトクリームです。群馬県で一番高い建物の最上階からの眺望を楽しみながらいただくコーヒーやソフトクリームはまた格別です。ソフトクリームをアレンジしたパフェ系のメニューも女性中心に人気で、お店の顔にもなっている「YAMATOYA COFFEE パフェ」をはじめ、いちごや旬の食材を使った季節限定パフェや夜限定のNightパフェなどがカフェスペースに彩りを添えています。

店頭には3つの味のソフトクリームをアピールする食品サンプルが
ディスプレイされている。
オープンに合わせて開発された「YAMATOYA COFFEE パフェ」。
クラッシュされたココア風味のコーンが面白い食感となっている。
群馬県で一番高い場所からは遠くまでの街並みや山並みを一望できる。

コーヒーやソフトクリームが
コロナ禍の人々の癒しに

2020年から続くコロナ禍において、大和屋が創業以来続けてきたコーヒーの試飲ができなくなりました。しかし、大和屋テラスがあったことで、「せっかく大和屋さんに来たんだからコーヒーを飲んでいきたい」「やっぱり味を確かめてから豆を購入したい」「こんなご時世だから安心できるテイクアウトでコーヒーやソフトクリームをいただきたい」というご要望に応えられたといいます。コーヒーやソフトクリームはコロナ禍の中で人々の癒しになっているのです。顧客層の拡大、来店機会の拡大という当初の狙いとは別ですが、ソフトクリームがもたらした想定外の効果といえるのではないでしょうか。
そんなソフトクリーム販売をバックアップしているNISSEIには「アフターフォローもしっかりやってくれる頼りになるパートナー」(平湯社長)、「とにかくトラブル対応が迅速で信頼できる」(野村さん)、「使いやすくてメンテナンスが楽だし、どんな問合せにも親切に対応してくれる」(田中さん)との評価。「ソフトクリームという商材を通じてお店の付加価値が高められる可能性は大いにある」との平湯社長の言葉が印象的でした。

COMPANY DATA

株式会社大和屋
[高崎本店]〒370-0075 群馬県高崎市筑縄町66-22
TEL 027-362-5911

[YAMATOYA COFFEE 32]〒371-0026 群馬県前橋市大手町1丁目1-1 
群馬県庁舎 32階
TEL 027-221-0032
URL. https://www.yamato-ya.jp

私がお店づくりをお手伝いしました

日世株式会社 営業部 沼崎 裕也
日世株式会社 営業部

沼崎 裕也

大和屋様は、群馬県のフードビジネス業界を代表する企業のひとつ。古民家風の建物の高崎本店は、地域のランドマーク的存在となっています。店内も和のテイストで統一されており、コーヒーの香り漂う落ち着いた雰囲気の中で、おうちカフェを楽しむための商品をじっくり選べます。
そんな大和屋様は、海外の産地まで足を運んでコーヒー生豆を買い付けるところから始まり、自社焙煎工場での品質管理、そしてグループ店での対面販売と、徹底してコーヒーの味わいにこだわっておられます。オリジナルの珈琲ソフトクリームの開発にしても、ソフトクリームをアレンジしたメニュー開発にしても、芯となるポリシーや目的が明確でブレがありません。確かな味覚と豊富な知識を持ったスタッフの方が多いのが大きな強みだと感じています。
ですから私ども日世の役割は、大和屋様のメニュー開発において理想の味づくりを全力でバックアップすること。そして材料の供給、機材のメンテナンス、衛生管理においてしっかりサポートすることです。「YAMATOYA COFFEE 32」の立ち上げ段階からお店づくりに参加させていただいたことは私にとっても貴重な経験になりました。大和屋様の目指す「和の珈琲文化」「珈琲のあるライフスタイル」の提案にこれからも貢献していきたいと思います。

◎掲載内容は2021年1月取材時のものですので、現在の内容とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。