鹿児島県は全国第2位のお茶の産地だ。JAかごしま茶業株式会社は昭和50年の設立以来、「さつま路」シリーズをメインに産地・品種にこだわった商品を提供してきた。「生産者の方々が一生懸命に育てたお茶を大切に提供してきました」と営業部の中村吉伸さん。県内各地の銘茶を厳選して、単一茶葉だけで作った「撰茶探訪」シリーズでは、かごしま茶の幅広さと奥深さを楽しんでもらっている。また煎茶さつま路「玉竜」は看板商品として評判だ。「新茶祭りなどのイベントで安心・安全・クリーンな品質をアピールしています。それが積み重なって大きな信頼を得ているのです」。平成18年「おいどん市場」が開設。同社では「さつま路」直売店舗を出店、同時にソフトクリームを手がけることにした。「鹿児島県産の茶葉を粉末にした緑茶とほうじ茶の2種類ですが、自信を持ってお勧めできるソフトクリームです」。これまで鹿児島地域ではなじみの薄かったほうじ茶もソフトクリームによって認知度が高まったという。同店ではお客さまにお茶の試飲をしていただき、味を知っていただくよう心がけている。「かごしま茶は品種が多く、いろんなブレンドを楽しむことができます。これからも、ペットボトルにはない本当のお茶のおいしさを気軽に楽しんでいただけるよう、情報発信していきます」

道の駅いぶすき彩花菜館は平成16年10月にオープン。全国でも珍しい民間企業が運営する道の駅だ。運営会社の有限会社ファインサプライPFI事業部主任の迫田義昭さんに話を聞いた。「その日の朝に地元で採れた新鮮な野菜や魚を提供するのが彩花菜館の特色です。地元のお客さまはもちろん、観光客も立ち寄ってくださり、順調に地域に根づいています」。ファーストフードコーナーのソフトクリームも好評だ。オープン当初はびわソフトだけだった。地元指宿小牧地区で採れたびわを使ったソフトで、さっぱりとしたジューシーな味と新鮮さがアピールポイントだ。平成19年から安納いもソフトも開始。「種子島の安納地区で採れる安納いもを販売しています。さつま芋の中でも一番甘い芋として人気なのですが、この芋を使って何かできないかと考えて、ソフトクリームにしたのです」。砂糖や着色料などは一切使用していない。芋独特の甘さで評判になった。「芋とミルクの配合には苦労しましたが、試行錯誤しながら仕上げました。予想以上の売れ行きで、芋の収穫量には限度がありますから、原料が追いつかない状態です」。秋から冬にかけての芋の収穫時期だけの限定商品だ。